彼の想いが

頭のてっぺんから足の先へとキスの雨。

彼の指先から唇から

まるで彼の感情が私の全身に注ぎ込まれているかのよう。

言葉では気持ちを言わない彼。

その気持ちをまるで全て注ぎ込むかのように、

彼の唇や舌や指が身体中を這う。

彼の想いを全身で受けとめる幸せを噛み締めながら、

彼の指で、彼の口で、

何度も高みを味わう。

彼の腕の中で呟く。

「私のこと忘れちゃうことあるでしょ」

「いいや。ご飯食べてても思い出すし、飲んでる時も思い出すよ。」

「放ったまま」

「想ってるさ」

「うん。」

彼の想いがあれば私は満足。

そしてこうして身体中にその想いを注いでくれれば。

抗えない恋

彼の瞳がとても綺麗なのも

彼の肌を愛おしく感じるのも

彼の笑顔にキュンとなるのも

彼のバリトンバスの声に震えるのも

私の肌を撫でる彼の指に身を投じたくなるのも

彼の肌に私の肌が吸い付くのも

彼の汗さえも愛おしいのも

彼の唇がまるで私とキスするためと思うのも

彼が私のものではなく、

抗えない恋だから。

だから

抗えない情熱を注ぐ

彼を想いながら

お料理をしながら、ふと彼を思い出す。

絵を描きながら、彼を想う。

帰り道、夜空の向こうの彼を想う。

ドラマを見ながら、彼を重ね合わせ。

歌を聴いて、彼を想う。

日常の何気ない景色の中で

彼をふっと思い出す。

思い詰めるのではなく、

思いがけず彼が心の中で顔を出す。

そんな感じがとてもすき。

そしてギュッと自分を抱きしめると、

彼の胸の中で包まれているよう。

デートの約束

来月、仕事で都内に出る日がある。

今度会えるのはその時。

彼の仕事が終わるまで、少し時間つぶしてという感じで。

でも、

私が時間を持て余さなくていいように、

彼が仕事を調整してくれてる。

毎日毎日忙しい彼。

私に会えるようにしてくれること、

会いたいと思ってくれることが嬉しい。

まだまだ忙しい日は続く。

会ったら、彼をいっぱい癒してあげたいな。

ごめんね

わけもなくひとりでプンプン怒ってて、

心の中で減らず口たたいてた。

可愛くない自分を彼に見せたくなかった。

複雑な気持ちで、彼に少しだけ会って、話しもした。

少しは落ち着いたものの、あんまり変わらなくて。

でも、もし、会わなかったらもっと病んじゃったかも。

それでも彼はそっと見守ってくれてた。

夏の疲れにやられてて、

いつも優しい彼に甘えてしまって八つ当たりしてしまってたのだと思う。

彼の「いやしてあげる」という言葉にも、

「うーん、大丈夫」とかわしてしまい。

さすがの彼も「じゃあ、癒してあげない」って突き放した。

寂しくなって、切なくて、それ以上に申し訳なくて、そのまま返事もできなかった。

ただひたすら仕事に集中した。

疲れもピークを迎えて、

疲れすぎて、苛立ってるエネルギーも無くなって。

そしたらふーっと軽くなった。

ずっと彼はそんな私を気にかけてくれてたのだろう。

週の終わりに「いろいろ大丈夫?」

と、声をかけてくれた。

「大好きだよ」

やっとやっと素直に彼に言えた。

「おれも」

たったそれだけのやりとりも、

大きな励みになる。

夏が終わったら、ふたりの誕生日をお祝いしよう。

優しさに触れ

彼にあった。

ふたりきり、ほんの30分だけの会話。

そっと優しく寄り添ってくれて。

指と指を絡ませて、ほんのちょっと手を繋ぐ。

「私ね、あなたに怒ってたの。」

「何に怒ってた?」

「あれもこれも。いっぱいありすぎて忘れちゃった。」

「そっか。いっぱいあるのか。」

思いを少し伝えただけで、

心がスッと軽くなる。

きっと彼も私のそんな変化に気がついた。

しばらくお互い忙しくて会えない。

「今度いつ会えるかなあ。いつ会おう?」

ふたりで予定を付き合わせて、

会えそうな日を探る。

私に会える日を探ってくれる。

それだけでも気持ちが軽くなる。

たった30分だけど。

彼の優しさがひしひしと感じられて。

幸せなひと時でした。

ゆれる彼女の気持ち

彼女の気持ちがゆれている。

LINEやSNS、ブログで、彼女がもがいているようすがつたわる。

平常な心でいるために、あえて夢から目を覚まして現実にうもれようともがいている。

横浜の平日1日デートをして、しばらくは会えないとお互いがおもっていた。

彼女の夏休みに合わせて、いちにちだけおれが有給をつかって、ランチデートをした。

それが、我慢しようとしていた彼女の平静なこころをゆらしてしまったのかもしれない。

おれも、あえて普通の生活をしようとしている。

ラインでおはよう。おやすみの挨拶をするようになってしまうと、そのうちきっと夢があふれるてしまうようなきがして、あえて、何かのついででしか連絡しないようにしている。

どうしても連絡したい時には、表のSNSなどにふくませたり、インスタに現状の写真をのせたりと、間接的に彼女にメッセージをおくっているけど、それもいいことなのか、わるいことなのか、わからない。

おぼれず、もぐらず、浮きすぎず、いつまでもながく。

嬉しくて泣くのは 悲しくて 笑うのは

僕のこころが 僕を追い越したんだよ