大晦日のおもひ

大晦日

1年で一番特別な日

新年を迎える年取り

今年は出会いと別れのあった年だった
9年間共に暮らした家族の一員だったペットを見送った
例年になく沢山の新しい出会いがあり
彼との再会も

2年前
50を境に大きな転機を迎えた

死をまっすぐに見つめた時
私自身の考え方も変わっていた

やりたいことを見つけ
長年の夢だった美術系の仕事についた
やりたいことをひたすらやった
人との縁も
大切な縁を結べるようにという祈りから
縁を結ぶ人はみな大切な人と思うようになり
全ての人に優しい気持ちを持てるようになった
病気になることが不幸なのではなく
病気を乗り越えようと思えない気持ちが不幸なのだと思うようになった

だからこそ
今私は彼と再び出会えたのだと信じられる
悟りを得たなんて大それたことは思わないけど
気持ちや考え方の変化が
呼び水になったのかも知れない

彼とのよろめきも
たゆたうこともなく
理ない仲だとしても身を焦がすことなく受け入れた
彼との艶事も恋衣も
私にとっては奇跡のようなもの
彼の全てが愛おしい
私が見ることのできない
彼の日々の生活も
全てが大切で愛おしくて

私が彼を失うことも
彼が何かを失うことも
私が何かを失うことも
望んでいない

何もかも大切に思うからこそ
ずっと夢の中で踊り続けたいと願い祈る

新しい年はどんな年だろう

彼と常に一緒にいられるように
楽しい夢を見続けられように
それを大切にまた生きていきます

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それだけしかいえない

君を愛してる それだけしか言えない

胸に広がる思い 言葉は 伝えきれない

君の名前しか浮かばない いつの日も

まるで 初めての恋

見つめるように毎日が過ぎる

出会ってから

 

すごくぴったり来る歌だ。

きっとこの歌を作った人も、こんな気持ちだったんだろうな。

おもひびと

おもひびと

想い 想われ 想い人

夢の浮き橋 今は今

美徳の蹌踉めき 希は 相想い

胸に迫る この想い そこはかとなく おもひびと

心を寄せるも 焦れ泣き

言わずもかな おもひびと

 

 

 

切ない気持も古語にすくわれる今の思い

そんな秘められた気持ちを

初めて彼に話してみた

 

そういえば、学生時代、国語の成績だけは良かったっけ

 

今日は彼も私も仕事納め
彼の家族も私の家族もまだ寝てて
ふたつの家族で彼と私だけが仕事
一緒だね
仕事納めしっかりとね

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玉響(たまゆら)

「玉響(かぎる) 昨日の夕(ゆうべ) 見しものを 今日の朝(あした)に 恋ふべきものか」

玉響 昨夕 見物 今朝 可戀物

柿本朝臣人麻呂

昨日の夕方、ほんの一瞬遭った人、もう今朝には、恋しくなっていいものでしょうか。

会いたい気持ちをしずめるために、現実の世界に没頭する。

ふたりの秘密のインスタをひらかくと、2時間まえに彼女の書き込みをみつけたりする。

きっと、2時間の間、時折インスタを開きながら、ずっと返事をまっていたんではないだろうかと、切なくなる。

あえて、相手のペースを気にして、リアルタイムの”ことつて”をやめるためのインスタ。

伝えたいことを書き込んでおけば、いつか彼女がみてくれる。
そういう風におもっていたが、リアルタイムが気になってしまう。

ずっとまっている彼女を思い、胸がしめつけられる。

あえて、そんな素振りのない書き込みの返事をする。

そうすることで、自分の気持をしずめているのだ。

たまゆらの つながる時間が いとおしく
会えない時間を 切なくさせる

たまゆら

現実の時間での”ことつて”のインスタ
大抵は30分、1時間、2時間空いてコメントがあがる
そのコメントも
をりふしにつけて
数分ごとに上がることがある
現実の時間の中の
ほんの少しの夢の時間

現実の時間でのそのタイミングは
うたた寝の夢の中で触れ合う玉響

何をしているのか
どこにいるのか
何を想っているのか
ままならぬやりとりにやるせなさを感じることもある
敢えてということもあるだろう
だけどそれは現実の時間を大切に生きるため

「山賎の 麻の狭衣ほすばかり
たまゆら晴れよ 五月雨の空」
右近衛中将雅定

5月じゃないけれど・・・

たまゆら触れよ うたた寝の夢の中

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彼女の名前を呼ぶと

再会した時には、彼女を「○○ちゃん」と呼んだ。

数十年前はなんと呼んでいたかわすれたが、おそらく名字に「さん」をつけて呼んでいたと思う。

最近は、女性を呼ぶときは、それほど親しくなければ、名字に「さん」をつけて呼ぶが、ほとんどは「○○ちゃん」。もしくは名前を呼び捨てにする場合もある。

地域でつながっていて、よく飲む仲間たちみたいな女性は、呼び捨てにすることが多い。
なんとなく、さんをつけて呼ぶのは、よそよそしくて相手に失礼な感じがしてしまう。

なので、おそらく、彼女と再会した時は、自然と「○○ちゃん」と呼んだ。
久しぶりにあう親しい友だち。嗜好が同じ往年の仲間、という感覚でそう呼んだ。

次に大森であった時に、「ちゃん」を付けずに呼び捨てで名前を呼んだ。
自分としては普通の流れだった。
親しみを込めて、よそよそしく感じる「ちゃん」をつけずに、親しみを込めたつもりだった。

普通の友達や仲間であれば、なんのことはない呼び捨て。

彼女と体を合わせながら呼んだ呼び捨ては、自分の中の感情の何かを揺さぶった。

それが何なのかわからないが、名前を呼ぶことによって、夢の中の彼女が夢から抜け出して、俺の中で現実を大きく占めてしまうような、そんな予感のような感覚が、夢を長く続けられなくしてしまうような気にさせたのかもしれない。

それ以降、呼び捨ても、「○○ちゃん」も、使わなくなった。

実際の会話だけでなく、インスタやLINEの会話でも、怖くて使えなくなった。

クリスマスの前に、インスタでのやり取りに不自由を感じて、久しぶりにLINEで会話をしているときに、「○○ちゃん」と呼んでみた。

彼女はLINEでの会話の時には、俺を「○○くん」と呼ぶ。
それに呼応して呼んでみた。久々に呼ぶのは照れくさかった。

女性の名前を「○○ちゃん」と呼んで、照れくさいと思うなんてことはなかったのに。

今度会ったときには、呼び捨てに挑戦してみるつもりだ。

愛しさを隠して、夢の中にいられるように。平常心で呼ぶ。

 

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Shibuya Night — III

せまい湯船に一緒につかってじゃれ合う。

彼女が先に浴槽を抜け出して、手で泡立てたソープで体を洗い始めた。
それを浴槽からじっと見ている。
微笑みながら、目をそらさずに視線をあわせたまま体を洗う彼女。

彼女にうながされて浴槽をでると、その泡の手は俺のことを洗い始めた。

そっと、やさしく焦らすように。
いつも俺がやっている仕返しをされているようだ。

からだの感覚が敏感になり、むずむずしているところを彼女に悟られた。

ベッドに入ってからは反撃を開始。

彼女の両手を片手で束ねて頭の上で固定して、もう片方の手で彼女のバスタオルをはがす。
そして、全身を指と唇でそっとまさぐる。

彼女の中に入ってからも、そっと動く。しばらくそっと動いてから一旦とまる。

「そのまま中にいて」

しばらく、やわらかく、あたたかいやさしさに包まれていることを堪能する。

そして、彼女が上に回り反撃がはじまる。

彼女の指と唇が、仕返しをするようにそっと、体中をまさぐる。
自然と身がよじれるほど気持ちがいい。
しばらく、されるがままに、息遣いがあれるほど快楽におぼれる。

そのうち、彼女が上にまたがり、そのまま彼女の中へと入る。

彼女はゆっくりと腰を動かし、だんだんと激しくなる。
快楽にまかせ目をとじる。彼女は腰を擦り付けるように激しくあえぐ。

夢の中で夢を見ているような快楽というか悦楽。

そのあと、ふたりとも上半身を起こしたまま体をあわせたりした記憶のカケラがあるが、あまりよく覚えていない。

気持ちが良かったことだけは覚えている。

 

 

胸の上に彼女をのせたまま、両腕で抱きしめていた。
胸をあわせ、体のすべてを密着させて、気持ちをあわせるように、彼女の中に入ったまま、ひとつになってだきしめていた。

ずっと、彼女の中にはいったまま。
離れずにずっと一緒にいた。