Shibuya Night — III

せまい湯船に一緒につかってじゃれ合う。

彼女が先に浴槽を抜け出して、手で泡立てたソープで体を洗い始めた。
それを浴槽からじっと見ている。
微笑みながら、目をそらさずに視線をあわせたまま体を洗う彼女。

彼女にうながされて浴槽をでると、その泡の手は俺のことを洗い始めた。

そっと、やさしく焦らすように。
いつも俺がやっている仕返しをされているようだ。

からだの感覚が敏感になり、むずむずしているところを彼女に悟られた。

ベッドに入ってからは反撃を開始。

彼女の両手を片手で束ねて頭の上で固定して、もう片方の手で彼女のバスタオルをはがす。
そして、全身を指と唇でそっとまさぐる。

彼女の中に入ってからも、そっと動く。しばらくそっと動いてから一旦とまる。

「そのまま中にいて」

しばらく、やわらかく、あたたかいやさしさに包まれていることを堪能する。

そして、彼女が上に回り反撃がはじまる。

彼女の指と唇が、仕返しをするようにそっと、体中をまさぐる。
自然と身がよじれるほど気持ちがいい。
しばらく、されるがままに、息遣いがあれるほど快楽におぼれる。

そのうち、彼女が上にまたがり、そのまま彼女の中へと入る。

彼女はゆっくりと腰を動かし、だんだんと激しくなる。
快楽にまかせ目をとじる。彼女は腰を擦り付けるように激しくあえぐ。

夢の中で夢を見ているような快楽というか悦楽。

そのあと、ふたりとも上半身を起こしたまま体をあわせたりした記憶のカケラがあるが、あまりよく覚えていない。

気持ちが良かったことだけは覚えている。

 

 

胸の上に彼女をのせたまま、両腕で抱きしめていた。
胸をあわせ、体のすべてを密着させて、気持ちをあわせるように、彼女の中に入ったまま、ひとつになってだきしめていた。

ずっと、彼女の中にはいったまま。
離れずにずっと一緒にいた。

 

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