夢の中
ふたりを乗せた小舟は
真っ直ぐに真っ直ぐに大海を進む
そしてぐるぐると同じところを何回も何回もまわる
やがて静かに風が吹き
ふたりを乗せた小舟はさらに沖へと流される
星もない真っ暗な空の下
ふたりを乗せた小舟は彷徨う
快楽の波に飲み込まれ
何度も何度も身体を合わせた
彼の胸に手を置き
しばらく彼の顔を眺める
彼の意識は今どこにあるのだろう
くすぐったがっていたさっきまでの彼は
今は悶え顔を歪めている
彼の厚い胸の上に置いた
1本だけ赤いスワロフスキーを散りばめたネイルが
やけに卑猥に見え
それがさらに私の気持ちを高揚させる
その瞬間
彼の顔が高校時代の”彼”に見えた
そして問いかける
<ねえ、【月】、この子をどうしたい?>
そして彼に問いかける
「高校生の【月】くんに会ったらなんて言う?」
そして彼が答える
「いつか”彼女”がお前の上に・・。だから今は我慢しろ・・かな。」
そしてまた快楽の波に飲み込まれる
彼の指から 彼の唇から 優しい光が放たれる
その光に私はただ酔いしれるだけ
その光は彼の想いと優しさで満ち溢れている
彼に抱き寄せられ
優しく強く抱きしめられる
緩くもなく苦しくもない絶妙な強さに
深い安堵を覚え
私はただ咽び泣く
離れない
絶対に
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