Shibuya Night — IV

彼女の帰りの時間があるから、早めに引き上げるつもりだった。

ホテルに入った時間もおそかったし、休憩で4時間もある。

残念ながら、4時間を堪能する前にでなければならない。

そう思っていた。

 

そろそろ帰り支度をしようと、彼女から離れて。。。。

ちょっといたずらしてやろうと、手を彼女の一部にのばす。

 

ついつい、指の動きがはげしくなり、そしてまた一つになる。

いつもの事だ。

今日はこれでおしまい。次は、またいつになるのか、次のデートまでおあずけだ。

たぶん、ふたりともそんな気持ちが高ぶって、よりいっそうはげしくなる。

 

夢の中の時間はゆっくりしているが、あっという間に過ぎてしまう。

シャワーを浴びて、化粧を直して、だんだんと現実にむけて目をまどろませる。

 

ホテルをあとにして、渋谷の街を手をつないで帰る。

クリスマスのネオンやライトアップなどがキラキラする若者の街。

ふたりが出会った頃のような気持ちで、恋をしている。

愛している

とは、まだ一度も口にしたことがない。

渋谷の街は、そんな言葉も簡単につぶやいてしまいそうな気分にさせる。

 

口にしたら、夢が破裂してしまうのだろうか?
夢はさめてしまうのだろうか?
夢は夢のまま、もっと深い夢になるのだろうか?

 

今は、この夢を大切にしたい。
ずっと見ていたい。
壊したくない。

だからまだ、口に出す勇気がないんだ。

 

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