「玉響(かぎる) 昨日の夕(ゆうべ) 見しものを 今日の朝(あした)に 恋ふべきものか」
玉響 昨夕 見物 今朝 可戀物
柿本朝臣人麻呂
昨日の夕方、ほんの一瞬遭った人、もう今朝には、恋しくなっていいものでしょうか。
会いたい気持ちをしずめるために、現実の世界に没頭する。
ふたりの秘密のインスタをひらかくと、2時間まえに彼女の書き込みをみつけたりする。
きっと、2時間の間、時折インスタを開きながら、ずっと返事をまっていたんではないだろうかと、切なくなる。
あえて、相手のペースを気にして、リアルタイムの”ことつて”をやめるためのインスタ。
伝えたいことを書き込んでおけば、いつか彼女がみてくれる。
そういう風におもっていたが、リアルタイムが気になってしまう。
ずっとまっている彼女を思い、胸がしめつけられる。
あえて、そんな素振りのない書き込みの返事をする。
そうすることで、自分の気持をしずめているのだ。
たまゆらの つながる時間が いとおしく
会えない時間を 切なくさせる