東京ベイ〜ビュッフェ〜

ビュッフェをウロウロする間
彼の顔が見れなくて
わざと離れて選びに行く
席についてもなんだか恥ずかしい
あんなに彼を恋しがって
寂しがって欲しがって
ブログに気持ちを綴ってたから
彼に茶化されそうで顔が見れない

だけど彼はそんな私をよそに
いつもと変わらない素ぶり
本当に
同級生に久しぶりに会ったかのように

それが彼の優しさ
大げさに捉えることもせず
当たり前のように
何事もなかったように

昔からそんな感じだったのかも
まるで何も考えてないような
それが頼りなさげに見えていたけど
本当は違っていたんだね
ただ何事にも動じないだけだったんだね

今は彼のたくましくて
優しい強さに包まれている

食事をしながら彼を見つめる
子供みたいに次は何を食べようかと
店内をキョロキョロ見回して
目新しい料理を持ってきては
嬉しそうに美味しそうに頬張る

周りのテーブルには
1人でイヤホンを耳に黙々と食事する青年
宿泊客なのか女性ふたり楽しそうに喋ってる
子供連れの家族も多い
皆それぞれが
ビュッフェを楽しんでいる
そんなありきたりな風景に
溶け込んでいるようで
嬉しくて愛おしかった

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東京ベイ〜彼を待つ〜

個人的な用事が二転三転して
気がつけば1日フリーに
彼と会う約束が
17時以降から
14時以降に変更になり
12時以降に変更に
彼も出かける口実を駆使してくれた

どこに行こうか
カラオケ行ってそのあと・・・
いっそのことデイユース
そしてそのあとカラオケは?

私の希望を押し通して
東京ベイエリアのホテルを予約した

朝からドキドキが止まらなくて
適当な口実を見つけて早めに家を出た

チェックインをするとほぼ同時に
彼から「出たよ。」とLINE
後はのんびりと部屋で彼を待つだけ
彼の家からなら1時間かからないだろう

部屋に入ってもドキドキは治らなくて
買ってきた彼のタバコや
マッサージ用のベビーオイルを並べたり
飲み物を冷蔵庫にしまったり
お湯を沸かしたり
保湿機に水を入れたり
カーテン開けたり閉めたり
ずっとそわそわ

そうこうしているうちに
「駅ついたよ。食事した?」
彼からLINEが入ってきた

ホテルのビュッフェで
ランチをすることになり
慌てて部屋を出てホテルの入り口に向かうと
ちょうど彼が自動ドアから入ってくるところだった

「久しぶり」
と渋谷で会った時のように挨拶を交わした

溢れた気持ちを抑えきれない日々が続いてた
落ち込んだり
泣いたりした
そんな私をずっと見守ってくれた彼
ばつが悪くて
彼に見せる顔がないと思ってた

でも
やっぱり
彼の顔を見た途端
自然と満遍の笑みになった

久しぶりに大切な友達に会ったような
ごくごく自然な感じ
こういう感じ大好きだ

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物語の続きを

ふたりの紡いできた糸は
まだ結い始めたばかり

再会してから数えるほどしか会ってないのに
何回も何十回も体を合わせたような

彼に会うようになってから
歌をたくさん聴くようになった
懐かしい曲ばかり
想いを歌に重ねたり
気づきがあったり

そして
ああ、これ・・・と思った曲
『セーラー服と機関銃』
別れの切ない曲だと思ってたけど、
今その続きを見ているような

安全地帯の玉置さんが言うように
音楽は優しい
どんな時も寄り添ってくれる

彼に出会った頃の曲
その頃の私たちのこと
そして今の私たちのこと
重なる曲がたくさんある
これからも音楽に寄り添ってもらいながら
彼と物語を結い上げるように
綴っていくのだろう

少し早めに家を出た
いてもたってもいられなくて
あと何十分もしたら彼に会える

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もうすぐ会える

なんど夜の空に向かって彼の名を呼んだだろう
なんど想いをつぶやいただろう
だけど星屑のように消えてなくなる
想いは儚い夢のように
日常にのみ込まれていく

ただ会いたいだけなのに
ただ抱きしめてほしいだけなのに
甘い声で囁いてほしいだけなのに

叶わない理由もわかってる
それを耐えなくちゃいけないこともわかってる
わかってるからこそ切なくて

そんな私の気持ちを
彼はわかってて
ずっと何も言わずに見守ってくれている
それが痛いほどわかるから
ただ、ただじっと時間をやりすごしてきた
そんな日常が今は夢のように感じる

抱きしめて
じっと私を見つめて
指をからめて
視線をからめて
あなたに身を投げて
あなたに溺れたい
あなたのぬくもりをずっと感じて
ずっとずっとあなたの瞳の中で揺れていたい

もっと私の心を縛って
深く果てなくずっとずっと
私が安心できるように

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それだけで

どこに行こうか?

あなたにあいたくてあいたくて
夢で会えたら
どこに行こうか
あなたがいればどこでもいいよ

どこに行こうか?
その一言だけで
目の前が明るくなったよう

やっと会える

言葉に出すと
耐えられなくなるから言わなかった

あなたの歌が聴きたい
バリトンの少年の頃の甘い声に
少しハスキーになった今のあなたの声

あなたのにやけた顔が見たい
あなたのくちひるに触れたい
あなたの胸にとびこみたい

ずっと言葉に出さず
心の奥にしまってた
あいたくて
あいたくて仕方なくて

Facebookの
みんなに見せる笑顔じゃなくて
私だけに見せてくれる笑顔が見たい
あなただけに私の顔を見てほしい

ほんとうにほんとうに
あいたくて

4週間
本当に長かった
まるであなたが
存在しないような錯覚まで

彼はどうやって耐えてきたんだろう
私は耐えきれず
彼を困らせてばかり
強くありたいのに
心の暴走止められなくて

会ったら後また・・・
いや、やめておこう
今は目の前のことだけみておこう

やっと会える

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日常の時間

非日常な時間が終わる
不幸せな時間なわけじゃない
親戚、兄弟、母、妻とこなす事は
ごく当たり前のこと
苦でもなく不満もない

それでも
夜になると心が暴走する
意思とは関係なく
脳が彼を追いかける
女は子宮で考えると言うが
その通りなのかもしれない
そこには理性はまるで存在せず
ただ彼にあいたくて
ただそれがしんどくて
眠りの中で彼を探し続けた

やっと日常の時間に戻るのに
彼への想いに歯止めがきかない

年末に問い合わせのあった予約を
4日に押し込んでおいた
ひたすらお客様と向き合うことで
張り裂けそうになる気持ちを
抑えられると思ったから

わかってた
非日常な時間の反動が
大きく襲いかかってくると

ただ待つだけ
日常の時間に落ち着けば
また夢が見れる

彼はそんな私のことを
重々承知してくれて
見守ってくれている

私がその想いを彼に伝えない事も
伝えない理由も
全て分かってくれている

彼があちこちに散りばめたメッセージ
充分すぎるくらいに
彼の想いが私を包みこんでくれて

だから心が暴走しても
じっと耐え忍ぶことができるのだろう

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