彼の集中力には本当に驚かされる。
その集中した結果も目を見張るものがある。
凄いことを成し遂げる。
「絡んであげられなくてごめんね」
そう言われた時、なんかショックだった。
「冷たかった?」
冷たいも何も、放置されてた。
絡んでくれなくてもいい。
冷たくしてもいい。
でもね、放置だけは嫌。
怖い。
放置されると、私の気持ちがあなたから離れる。
捨てられるのを防御して
自分から切り捨ててしまう。
そうやってきたから。
そうやって自分を守ってきたから。
でも、それはほんの束の間のこと。
ほんの少しの放置。
それでも、その一瞬が命取りになる。
大袈裟だけど。
ふたりがどうなろうとも
今必要なのは前を向くこと。
お互いを見つめ合うことではなく、
同じ目標に向かって進むこと。
大きな壁にぶつかったり、
限界を感じたり、
そんな時に思い描くビジョンボードに
お互いの存在があることが、重要。
それを時折確認できればいいのだと思う。
午後の予定をこなし、
その後ミーティングのはずが中止に。
彼との約束の時間まで3時間空いてしまった。
「今日は会社でセミナーやってて外部の人の出入り多いから来ちゃいな。」
そう言われて、彼のオフィスにお邪魔した。
時々、自分の人生なんかどうなってもいいと思ってしまう時がある。
それは決して投げやりになってる訳でもない。
人生に絶望している訳でもない。
魂だけになって、
彼のそばにいられたら、と思うだけ。
夜這星は流れ星。
流れ星は、恋い慕う結果、魂だけ抜け出して好きな人のところへ会いに行く姿にも例えられていたそう。
跡形なく、彼のいた形跡を片付けた。
なのに。
彼がいた場所に、彼の残り香が残ってる。
玄関や、
リビング、
ダイニング、
お風呂、
洗面所、
タバコを吸ったキッチン、
布団からも。
私の記憶の中の彼のにおいだけは消せなかった。
きみは、きもちをぶつけてばかりだ。
そういってしまった。
生活していく上でいろいろなことがかさなって。
それは、彼女に関することばかりじゃないのに。
その重なった思いから抜けだけない、心のわだかまりのようなものを。
彼女にぶつけてしまった。
彼女もいろいろ重なっていた。
それで助けをもとめていた。
いやされること、ゆるされること、それを求めていただけなのに。
その求めている気持ちにきづきながらも、そこに自分の不安やわだかまりをぶつけてしまった。
思いすぎるとつらくなる。
つらくて会えなくなってしまう。
そんな気持ちを再認識できた。
また、ひとつのりこえた。
ながくつづく夢をみるため