横浜 V

普通のシティホテルのデイユース。
たっぷりあると思っていた5時間は、あっというまにすぎた。

シャワーを浴びながらも、また、つい始まってしまうのではないかと思うほどのみだらな時間。

外はまだ平日の日常が動いている。

服を着て、彼女のブラウスのボタンをはめて、キスをして、化粧をして、性に奔放な裸のふたりが、もとのふたりにもどる。

スカートとブラウスの彼女は、さっきまで僕の顔の上にまたがって、快楽をむさぼるように腰を振っていた。
そのギャップが、僕をにやけさせる。

彼女が僕に軽くキスをする。口紅を塗ったので気遣っているようだ。

激しいキスは、また次のおたのしみ。
そういうのも、なんだかいい。

どこに行くかも決めぬまま、チェックアウトを済ませる。

イルミネーションも見たいと彼女が言っていた。
赤レンガ倉庫のイルミネーションのポスターが目に入る。
そういえば、午前中のシーバスからみた赤レンガ倉庫は、夜には電飾を飾ったイベントが行われるようなセットがされていたのを思い出す。

オクトーバーフェストのような、ドイツビールのイベントが行われているようだ。

よるの散歩デートをかねて、歩いて向かう。
スマホの地図をみると、けっこう時間がかかりそうだが、夜の街をふたりで歩くのも、デートをしている実感を楽しむにはちょうどいい。

午前中のように、恋人たちがそうするように、手をつないでそこに向かった。

 

 

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