シャワーを浴びながら、備え付けのボディーソープを手に取る。
無香料といっても、ソープの香りが残る場合もある。
だけど、今日はたっぷり時間がある。
手のひらにソープを取って、両手で泡立てる。
全身に塗っても、帰る頃には香りが飛ぶだろう。
ソープの泡で彼女をつつみ、なめらかになぜる。
その後のことはよく覚えていない。
ときおりの記憶では、彼女をたたせ、その前にしゃがみ泡で遊んだ記憶。
そこからどうやってベッドにいったのだろう。
ねそべる僕の下半身に彼女がいる。
彼女の唇と舌の感触が、僕のすべてをはいまわる。
夢の中で、夢のような感覚におぼれる。
それから、体をあわせ、お互い顔をみながら愛し合う。
彼女を横に向かせ、後ろに向かせ、上に乗せる。
そんなことを何度か繰り返し、気がつくと腕枕。彼女の頭が僕の胸にある。
静かに、いろいろな話をした。
あまりに穏やかで、心地よく、時折居眠りもしたくらい心は平穏だった。
彼女の指が、僕の胸をいたずらに滑る。胸から腹に、そしてさらに。
すべてを彼女にゆだねている安心感。
彼女にふれらている安らぎにあわせて、そろけるような気持ちよさ。
何のきっかけだったろ。
そろそろチェックアウトの準備をしなくてはという時間に、突如ふたたび激しく炎が燃え上がった。
彼女におおいかぶさり、そっと挿入しゆっくりと動く。
それはまさに、ピッタリとフィットするここちよさだった。
50を越えて、じつは、ここのところ自分自身の体を思うようにできないことがある。
しかし、その時は、思うように彼女のなかで、彼女とひとつになれている。
自然と笑みがこぼれ、彼女も微笑んでいる。
体をぴったりあわせて、上下する。
まさに夢の中のできごとだった。