紡ぎ結う

紡ぐ(つむぐ)
いく本もの細い繊維をつなぎ、よりをかけて糸にすること。

結う(ゆう)
糸と糸を、まとまるように結ぶこと。

それぞれに、人生のいろいろな経験を積み重ね、紡いできたふたりの糸。


15歳の時に、高校生として初めて出会ったときには、その糸は結うには短く、絡み合うこともなく、高校を卒業するとともに、また別々の経験を紡ぎはじめた。

22歳の時に、同じ会社の社会人として再会し、運命のようなものを感じた気もしたが、結うにはまだ早かったようで、その後もまた、別々の人生を紡いだ。

そして、さまざまな経験を紡いだ2本の糸は、人生の半世紀を超えたところで再会する。

結うには充分な長さになった2本の糸。
結うための準備を紡ぎ続けてきた2本の糸。

自然にお互いを巻き、絡み、包みながら、さながら遺伝子構造のような、二重螺旋の糸を結い始める。
2本の糸が、ひとつの人生を結いはじめた。

結う(ゆう)
糸と糸を、まとまるように結ぶこと。

現実の人生とはちがう、現実の人生を有意義にするために、夢を結いはじめた。

おそらく、自然とつながった2本の糸は、ずっとずっと昔から、遺伝子の記憶でこの出会いを繰り返しているのかもしれない。

そして、これからも、来世も。
魂を紡ぎ、縁を結ぶ。

 

 

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