前回の仕事おわりの束の間の逢引から数日。
また彼女が東京に来る用事があった。
毎日、毎晩の、裏のSNSやLINEの会話で、彼女がお昼休みの時間にあわせて会社の近くまで来てくれることになった。
お昼休みの束の間でも会えるのはうれしい。
お昼になり、いそいそと会社の近くの公園に、自分の弁当をもって向かう。
公園に入ると奥のベンチに彼女の姿が見えた。
うれしくて走っていきたいところだけど、ちょっとかっこつけてゆっくり近づく。
かっこつけるのに夢中で、なんて声をかけたのかも忘れてしまった。
ベンチにふたりで並んですわって、それぞれのお弁当をひろげる。
彼女が、おむずび作ってきたから食べてというので、
おれの弁当も食べる?と聞いてしまった。
「食べられないよ。食べたくない」という彼女の返事で、
自分の気遣いのなさを後悔した。
お弁当を食べたあと、手をつないですこしの時間だけデート。
彼女の手に唇をはわせて、その場で出来る範囲で、彼女の感触をたのしむ。
お昼休みはあっという間におわる。
このまま会社に戻らずに、どこか遠くにいきたくなる。
そんな、やわらかい日差しのさす午後だった。
「すこしチャージできた」と、彼女は言う。
ぼくもだよ。
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