※病気の話です。興味のない方は飛ばしてください。
私自身に乳がんが見つかったのは4年前にさかのぼる。
健康診断の触診で、
「ここにしこりがありますね。印つけておくので次のマンモグラフィで撮ってもらってね。」
そう女医の先生に言われた。
その場所は胸の下の骨のあるところ。
マンモグラフィで、
その印した場所を器具で挟むのが大変らしく、
何度も撮り直した。
もし、マンモグラフィのみの検査だったら、
見つけられなかったと思う。
もうしこりがあるのはわかってる。
でも、健康診断の結果が手元に来ないと、
次の検査に進めない。
それがもどかしかった。
健康診断の結果はもちろん再検査の促し。
再検査の理由は「左右非対称」
右の胸にはないしこりが左胸にはある。
再度、健康診断をしたセンターと同系列の病院で再検査を受けた。
触診、マンモグラフィ、エコー(超音波)
触診やエコーでは見つけられない乳がんもある。
乳がんと言っても種類が沢山ある。
そして、針を刺してしこりの細胞を取る針生検。
その病院でやってもその後の検査に2週間かかるし、手術の設備がないから大きな病院へ紹介するとので、そこで針生検をしなさいと言われた。
「もし、検査結果、様子を見ましょうと言うことになったら、私のところに戻ってきなさい。」
それって、乳がんの太鼓判を押されたようなもの。
ただ、かえって安心できた。
ちゃんと診てもらえる安心感の大切さを今でも感じる。
大きな病院へ移り、
再び検査を1からやり直してもらった。
生検で乳がんだと確定。
「ラッキーだったね。乳がんは胃がんなんかと違って、1つのしこりでも裏表の表情が違う。
生検で乳がんの組織が見つからなかったと言っても、そのしこりが乳がんでは無いと確定出来ないんだ。」
話はもどるが、しこりは私が触っても確認できた。
消しゴムみたいな物がある。
それが押すと移動する。
同僚や友人など、女性とあらば触ってもらい確認してもらう。
本物の乳がんのしこりなんて、一般の人は触る機会なんてないもの。
感覚をしっかり覚えて欲しかった。
夫にも触ってもらった。
今まで私の次に触ってる人。
でも夫も気がつけなかった。
健康診断のしこり発見から、
乳がん確定まで1ヶ月。
しんどかった。
これからどうなるのかが不安で。
ネットで本で調べまくった。
抗がん剤のこと、放射線治療のこと。
落ちて、泣いて、悩んで。
辛い1ヶ月だった。
乳がんの告知を受けた時、
不思議と目の前が明るくなった。
後は病気に立ち向かうだけ。
自分の見つめるべき方向が見えるということが、
何よりも励ましになる。
それを自覚した瞬間だった。
そして乳がん患者のオフ会にも参加した。
治療を終えた人、これからの人。
みな笑ってる。
カツラの人もいる。
でも、治療を終えた人は皆笑ってた。
私もこの人たちみたいに笑える時が来るんだ。
治療が終わったら、
私はもっと強く明るくなれる。
それが確信できた。
私の乳がんは早期で、ステージ1。
部分切除と放射線治療とホルモン療法。
リンパへの転移もなく、抗がん剤治療は行わなかった。
治療は辛い。
でも、病気の何たるかがハッキリするまでの辛さとは違う。
先の見えない辛さは本当に辛い。
その経験は私にとって大きなものとなったけど。
なかなか人にはわかってもらえない辛さ。
その時がいちばん寄り添ってもらいたい時なのに。