カラオケ忘年会。
彼と夫とほかのメンバー数人で、
カラオケで盛り上がろうと集まった。
彼の隣には他の人が座ってるから、
彼に触れることも出来ない。
それでも彼の声を聞いているだけで幸せ。
彼との楽しかった夏を思い出して。
切ない想いをうたに乗せて。
彼と私にしかわからない、
メッセージを込めて。
そんな彼の歌を聴いた夫が呟く。
「いい声だね。この曲合ってるね。」
夫に彼とのことを認められたような錯覚を覚える。
夫は彼と私が知り合いなのは知っている。
でも、まさかそれ以上のことは想像もつかないだろう。
彼は一足先に帰る私に、
誰にもわからないくらいに
ほんの少しふれてくれた。
今度会うのは来年だね。
去年の年末年始は辛かったなあ。
今年はどうかな。
寂しくならないように、
私は私でちゃんと年末年始を過ごそう。