ひさしぶりだった。
何年ぶりだろう。顔をあわせたのは。
SNSで久しぶりにつながってから、個別に連絡を取るようになるまでは、そう時間を必要としなかった。
「こんどデートしようか」
それは、何気ない言葉から始まった。
仕事終わりに時間をあわせて待ち合わせ。
帰りの電車を気にしながら、サクッと気さくな飲みデート。
彼女がどんなものが好みなのかも見当がつかず、とりあえずオールマイティに楽しめそうな店をいくつかピックアップした。
懐かしい話しを、楽しく酒の肴に。そんな気持ちをもって待ち合わせ場所に向かった。
彼女はそこにいた。
見た目も雰囲気もなにもかわっていない。
何年もの月日が経っているような気は、まったくしなかった。
つい先週も会っていた、そんな気さえしたほど、自然にすんなりと笑みがうかんだ。
「ひさしぶり」
お酒を飲みながら、若く懐かしい頃の話しを、楽しく共有できる仲間が増えた。
その時はそんな喜びだった。
いま思うとこの時点ですでに、それだけではない何かが、こころの奥に生まれた、もしくは潜んでいたのかもしれない。
懐かしい話しが、どんどんあふれるようでてくる。
何年も会っていない間のお互いの話もはずみ、その時間や距離はどんどんうまった。
会話はつきない。ちょっと大人の会話もはさみながら、あっという間に時間は過ぎた。
帰りの電車も途中まで一緒。話しはつきない。
乗換駅であることに気づき、話しの途中であわてて別れる。
「じゃあ、またね」
話し足りない物足りなさを感じて、その日はおわった。
それが、いまのふたりの「であい」だった。
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