円山町②

彼のキスの雨が降りそそぐ中、
ジーンズを脱ぐ。
Tシャツを脱がされ、
ブラも取り去られ、
ミニスリップとタイツ姿に。
彼の目の前に立たされて、
ベットの端に座った彼が、
優しく私の体に触れながら、
私の瞳を見つめたままタイツを脱がしていく。

 
なんとなくじゃれあいながら、お風呂に向かった。

今思い出したけど、
バブルバス忘れちゃったね。

ふたりで湯船に浸かってるだけで、
なんだかとっても楽しい。
「洗ってるとこ見る」と言われ、
私ひとり湯船から出て、
泡だてた石鹸で自分の身体を撫でる。
彼はうれしそうにそんな私を眺めている。

彼のことも湯船から出して、
彼の身体に泡をつける。
彼は何も言わず私のされるがままになっている。

とてもリラックスしているのがわかるし、
それがうれしくもあり、
愛おしく思う。

そして、その時初めて彼の弱点を見つけた。

シャワーで泡を流し、
タオルを巻いたままベットに上がり、
ベットの上の有線番組をいじる。
彼にボサノバをかけてもらったけど、
「それはやめとく。仕事場でかかってるチャンネル。」

あーだの、こーだのふたりで笑いながらじゃれて。
今日はめちゃくちゃ楽しい。

どちらからともなく唇を合わせる。
彼に両手首を掴まれて、
頭の上に固定され、身動きが取れなくなった。
彼の唇が首筋から胸へとおりていく。
掴まれた手首は痛いわけでもなく、
それが自分の意志でそうしているような錯覚に陥る。
だけど、身動きはとれないまま。

彼が私の中に挿入り、
静かに優しく動き出す。
ただ気持ちよくて。
そして彼の動きがとまる。

「そのまま出さないで。ずっとそのままでいて。
このまま・・入ったまま生活ができたらいいのに。」

そしてひとつになったまま、
ふたりとも動かずその感覚に身を委ねた。

 


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