Shibuya Night — I

青の洞窟 SHIBUYA

冬の渋谷は、青いイルミネーションであふれている。
彼女と待ち合わせて最初に向かう予定のイルミネーション。
公園通りから青いイルミネーションが続き、メインの洞窟はNHK放送センター前の並木道のようだ。

彼女と、待ち合わせ場所をLINEしながら渋谷に向かう。

渋谷に着き、待ち合わせ場所にいる彼女を見つけられずに電話をする。
すぐに彼女は電話にでた。
同じ広場にいるらしい。

広場で振り返ると、デパートの入口付近に立っている彼女をみつけた。
彼女はまだ気づいていない。

 

電話の声と、実際の彼女の口の動きが、携帯電波のタイムラグで微妙にずれている。
まるで、だれか他の人と電話をしている彼女をみているような気になる。

電話から聞こえる彼女の声をききながら、だれかと話している彼女をみている。
まるで「現実と夢の狭間」に立っているような気になる。

その感覚を楽しみながら、彼女に近づく。

待ち合わせ場所がまちがっているかもしれない、と彼女は不安になっているかもしれない。
早く目の前に行ってあげたい。でも、この感覚もすこし味わっていたかった。

「現実と夢の狭間」をゆっくりとあるき彼女に近づく。
キョロキョロしている彼女の目の前まで歩いて行くと、ようやく気がついた。

気がつくと同時に笑顔になった。「ひさしぶり」

2週間ぶりの久しぶりな感じはしなかったが、きっと、ふたりとも、夢をスタートさせる合図として、そう挨拶をしたような気がする。
そうして夢の中の渋谷デートは始まった。

夢の中に入って、久しぶりな気がしないのはあたりまえだと思った。

会えない時も、生活の流れのどこかのすき間で、毎日、毎晩、いつでも夢の続きのことを想っているのだから。

公園通りを代々木公園に向かって、ふたり手をつないであるく。
渋谷の街をこうして歩くのも何年ぶりかも思い出せないくらいだ。

記憶の中の渋谷とは違うお店がならぶ。
ここは昔はディスコだった。
マルイが違う店になってる。
パルコがなくなっちゃった。

そんな話をしながら、人の波にあわせてゆっくりぶらぶら歩いていると、青いイルミネーションをびっしりと着飾った並木道がみえてきた。

並木道の下を歩くのが、いわゆるインスタ映えしそうな写真がとれそうだが、あの行列を歩くのはどんなもんだろうか、と思っていると、彼女も「ここまででいいね」と言う。

そういう感性のピタッとはまるところが、一緒にいて心地よい。
気負う必要もカッコつける必要もなく、自然でいられる。

そうして、そこから、宇田川町を突っ切って、円山町方面に向かった。

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