現実の中の夢

朝起きると秘密のインスタをのぞく。
昼には2人のブログをのぞく。
Facebookでも、彼女の姿をさがす。
直接のLINEは、お互い気を使ってあまり送られてこないし、送らない。

頻繁なときには、インスタのコメントのリアルタイム交換。
そんなときには、直接のLINEも来たりする。

伝えたい、
話したい、
会いたい、
つながりたい、
という気持ちは、夢の中だけ。

そういう風に、気持ちは抑えているつもりでも、何かがつもる。
つもり溢れて、ブログを書く。
インスタにも投稿する。
Facebookにも密かなメッセージを埋め込む。

「夢」が現実にあふれ出している。

急激な加速は、いつか急激に失速する。
だから、ゆっくり行こうと彼女といつか話したことがある。

だから、頻繁な連絡や定期的なつながりは、少し控えた方がいいのかな?
と、最近思い出していた。

ところが今朝、インスタを見ると、昨夜の自分の投稿で終わっている。
どこかにコメントがあるかと、探してみても彼女がいない。
フェイスブックにも彼女の姿が見えない。
もちろんLINEが来るはずもない。

「どこにいったのさ?」

そういえば、以前俺がどこにも返事をしなかったときに、彼女に

「どこにいったの?いなくなっちゃったかと思った」

と、言われことがあった。

こんな気持ちにさせていたのかとくやみながらも、
仕事の手が空いたお昼前に、インスタに写真を投稿。

どこにいったのさ?
俺はトイレさ!

しばらくすると

「ごめん、やっと笑えた(笑)」

と、彼女からの返信。

気になって、ブログを見に来たらこの書き込みがあった。

現実と夢の狭間で

“ それでも溢れた思いは蓋を押し上げ溢れ出す ”

彼女も同じようにあふれていた。

おそらくあふれた感情で現実が水浸しになって、
どこを歩いても、あふれた感情の水しぶきが立つ。

気づかないふりをして、そうっと歩いても、
歩くたびに水音が、あふれた感情を呼び起こす。

平気な顔をしていても、心の中では水音が鳴り続けている。
ぼくがそうだったように。

 

あふれて、こぼれ出さないように。
あふれたものに、溺れないように。
あふれたことで、夢が覚めないように。

あふれて、カラッポにならないように。

ゆっくり、すこしずつ、夢のしずくをためていこう。

蓋を押し上げ溢れるまえに、
ふたりでときどき乾杯しよう。

 

 

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