1年ぶりの円山町

数時間でもふたりきりになれるタイミング。

彼の異動先の新しい職場の近くで彼と待ち合わせた。

そこからふたりで電車で移動。

久しぶりに円山町に向かう。

食事をして行く時間が無いから、

途中、私が手軽なものを購入して持っていった。

円山町でも、少しネオンの明るい場所。

同じ目的のカップルだらけ。

それでもやっぱり恥ずかしくて、

キョロキョロ周りを見わたす彼を尻目に、

「ここにする!」と先に飛び込む。

とにかく人目に付くのが嫌すぎて、

ついついひとりで動いてしまう。

目的が決まると、

人目にふれる恥ずかしさも重なって、

大胆な行動に出てしまう。

そんな私を楽しんでいる彼もいる。

部屋に入ってパンを食べながら、

彼は私の服を少しずつ剥ぎ取って、

胸を頬張る。

そしてパンを食べて…。

ちょっと楽しくおかしい感じ。

今日はそんなシチュエーション?なんて思いつつ、

パンを食べてはいちゃついて、

いちゃついてはパンを食べて。

彼がタイマーセットしてくれたお風呂も、

とうに湯がはりおわってる。

ジャグジーにしてじゃれあっているうち、

ジャグジーの中でイカされてしまう。

お風呂から出ても、なんだかじゃれあって。

嬉しくて、楽しくて、気持ちよくて。

自然と笑みがこぼれる。

彼の温もり、彼の包容力、彼の優しさ。

私は知らず知らずに包み込まれて、

彼のことが好きで好きで仕方ない自分にさえ

愛おしさを感じる。

「すごく好きだよ。」

私がそういうと、彼は

「知ってるよ」

そう言いながら私を優しく揺らした。

そうして、彼との今年最後になるであろうデートを

思う存分楽しんだ。

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