彼の職場異動先と、
私の別の仕事のオフィスの場所。
近いとはわかっていたけど、
歩いて5分ほどで彼の職場に行ける距離とは。
「近くにいるんだね」
「いるよ」
彼の終業時間に合わせて、
私もオフィスを後にする。
彼と落ち合い、新しい街の散策。
しばらく歩くと東京タワーがそびえ立つ。
やはり私たちの世代は東京タワーに憧れる。
鉄骨の曲線がとても綺麗でかっこいい。
ふたりの思い出の場所がまた増えた。
これから東京タワーも、
ふたりにとって
大切なデートの場所になるだろう。
ふたりで写真を撮ったり、
お土産やさんを見たり。
手を繋いで歩いて、
寒くて彼にしがみつく。
師走に入りお互い忙しくて、
年内デートは最後かもしれない。
拗ねて彼を困らせた。
寂しくて、今にも涙が出そうになって、
ずっと一生懸命笑ってた。
日々、新しいことが訪れる。
それをちゃんとこなして、
流されないで、
地に足つけて歩かなくちゃ。
ひとりじゃかいもの。
彼とふたりなんだもの。