過去と現在と夢の世界が混在する。
自分の中できちんと割り切って、
引きずったりしないようにすることが必要になる。
そんな人に会ってきた。
前夫との離婚後、私の副業のクライアントだった人。
現在は仕事や性について相談したり、逆に相談されたりという関係。
その人は私が婚外恋愛中であることも知っている。
その人に会うことは、彼も割り切ろうとも、
儘ならぬ思いになっていることは、
私もよく分かる。
その人は本業の傍ら出張ホストを長年続けてきている。
その裏稼業のスタートで、私が運営するに至っての業務を立ち上げから携わってきた。
女性にとっての性について、その人と話をし、共感する部分があり、現代社会でのその人のような仕事の必要性を感じて、私は仕事を請け負った。
その人は当初の目標を達成した後、
一旦業務は解散した。
しかしその人だけは完全に裏稼業から手を引いた訳ではなく、
当時からの数人のクライアントから仕事を受け、
そして今も現役出席ホストとして、
数人の顧客から仕事受けている。
出張ホストという仕事始める際、
運営業務の形が出来るまで、
その人は酷く落ち込んだりすることも多く、
私が慰めるシーンも何度かあった。
想いは確かにそこにあった。
でも、お互いその気持ちを言葉にすることはなかった。
そんな恋愛は、この裏稼業では邪魔になる。
さらに、その人は仕事にストイックになって、
私に甘えることも、私が甘えることも出来ず、
苦しいだけの恋愛に耐えられなくなって、
私は身を引いた。
新しい恋をして、
業務だけに携わった。
それから十数年。
昨日、会って話して、やはり住む世界の違う人だと実感。
ただ、お互いの信頼関係だけが残っているだけ。
昨日会って、それを再確認して、
私が求める人ではないことをさらに確信した。
話のあと、その人はクライアントが待つ部屋に向かった。
私がその人を通してたくさんのことを経験したし、
その時の業務は、
少なからず今の私の仕事の自信にも繋がっている。
なくてはならない過去。
気持ちのやり場のない恋愛を経験した。
過去は誰しにもある。
とはいえ、私の方がどれだけ彼を不安にさせる過去なのかと、
彼に抱く私の思いと比べ物にならないものがあるだろう。
そのことを、ちゃんと肝に据えないと、と改めて思う。
そしてそんな想いを
彼に隠さず話していこう。
ぶつけるのではなく……